「さすがに収穫できないでしょう」
「何も植えていないのに収穫を期待するなんて・・・」
「とりあえず苗を植えるか、種まきすればいいのに」
と思いますよね。
さすがに、種も苗も植えずに野菜を収穫しようとする人はいないと思います。
しかし、
これが日々の仕事やご自身の夢、目標の実現ならどうでしょうか?
夢や目標はあるけれど、それを実現するための行動を起こすことなく、生花だけを期待している人は意外に多くいます。
「英語を話せるようになりたい」のに、英語に触れさえしていない。
「体を鍛えて健康になりたい」と、何年もスポーツジムを探し続けている。
「趣味の分野で起業したい」と考えているのに、調べることもしていない
日々の仕事でも同じです。
「早く上司にトラブルの報告をしなきゃ」と思いつつ、夕方になってしまった。明日が期限の報告書があるのに気乗りせず、手をつけられていない。メールの返信が億劫で先延ばしにしていたら、大量に溜まってしまった。
こんなことが続き、
「だから、私はダメなんだ」
「いつもギリギリにならないと動けない」
「あのとき動いておけばよかった」
と、自分を責めている方もいるかもしれません。
本記事は、あなたの「すぐやる」スイッチを取り戻すためです。このスイッチは誰もが持っているものです。
実は、「つい、先延ばししてしまう人」は、そのスイッチの入れ方を忘れてしまっているだけなのです。
「すぐやる人」には共通点があります。それは、自然体でラクに取り組んでいることです。
やる気や根性に頼ることなく、無理せずサクサク動けているのです。
では、なぜあなたは動けないのでしょうか。やる気がないから?意志が弱いから?性格的な問題?いいえ、違います。
あなたを動けなくしているのは、あなた自身の脳です。
実は、私たちの脳はとても面倒くさがり屋です。新しいことに挑戦しようとしたり、難しい問題を解決しようとすると、命を守ろうとするバイアスが働き、現状を維持しようとするのです。
逆に言えば、面倒くさがる脳をその気にさせることができさえすれば、「すぐやる」スイッチをオンにすることができるわけです。
本記事では、そのスイッチの入れ方を誰でも今すぐできるよう、6つのメソッドに分けてご紹介します。
こんな偉そうなことを書いておいてなんですが、実は、私自身もかつては極度の先延ばし人間でした。
しんどい。
面倒くさい。
また先延ばし・・・。
今日もパッとしない
忙しい毎日だけど、何かが積み上がって行く気がしない
疲れた
何もやる気がしない。
SNSを見ると、
「友人が新しいことを始めている」
「趣味を極めていてすごい」
「仕事で目覚ましい成果を出している」
「仕事もプライベートも充実していて、なんだか楽しそう」
「それに比べて私は、どうしてこんなにパッとしないのだろう」
「仕事もプライベートも中途半端で、誇れる実績もない」
と劣等感を覚え、ため息をつく。
一日、一週間、一か月、半年、一年が同じパターンの繰り返し。時を重ねても成長を感じられず、焦燥感や嫉妬、後悔が増えて行く。
当然ですが、種を植えていない土地に育つのは雑草ばかり。「自分の人生はこんなはずじゃなかった」「なんで、自分はこんなにしょぼいのだろうう」と嘆く。自己嫌悪の毎日でした。
そんな私が変わることができたのは、脳科学・心理学との出会いでした。
これらを学ぶにつれ、今の自分の状況は自分の意志の弱さやだらしない性格のせいではなく、「行動のスイッチの入れ方」を知らなかっただけだったということに気付いたのです。
その結果、「先延ばしばかりの人生」から「とりあえず種を植えてみる人生」に変わりました。
つまり、ほんのちょっとでもいいから動いてみる、行動してみるというクセが身に着いたのです。
今はまだ本気を出していないだけだ。状況がもう少し好転したら動き出そう。よく考えてしっかりと計画を立ててから実行しよう。
そうこうしているうちに時間だけが経ち・・・
あー、もうこんなのはイヤだ!流れを変えたい!自分を立て直したい。
そんなあなたに本記事を贈ります。
では「今は、動かない」という選択をする基準は、どこにあるのでしょうか。
多くの場合、明確な根拠はなく、ただ何かを待っていることがほとんどです。正解がはっきりするのを待っている。誰かが明確な指示・命令・指針を示してくれるのを待っている。向こうから連絡がくるのを待っている。
状況が好転したり、ベストなタイミングがくるのを待っている。損得が明確になるのを待っている。
早紀を見通すことが難しく、正解や価値観がコロコロ変わってしまう激動の時代だから、誰だって状況が好転するまで立ち止まって、様子見していたいと考えるのは当然です。
せっかく行動したことが無駄になったり、逆効果になることもある。損や失敗はしたくない。どうせ行動するなら着実に成果につなげたい。それが明確になるまでは動きたくない。その気持ちはよくわかります。
でも、状況が好転するのを待つにしても、せめて種や苗を植えてから、少しでもきっかけとなる行動をしてから待ってみませんか。そうすれば、収穫できる可能性、つまり夢や目標が実現する可能性がゼロではなくなります。
ほんの少しでも構いません。あなた自身が行動することではじめて、変化、成果、フィードバックが得られます。そして、それをきっかけに、あなたの夢や目標の実現、悩みや課題の解決は、いい方向に向かっていきます。心配はいりません。本記事では、性格や意志の強さに関係なく、誰もがラクに動ける、もしくは動きたくなる方法を紹介していきます。
本記事が、あなたの理想の未来をカタチにするきっかけとなりますように。
先延ばしがなくなる!行動に「初速」をつける方法
こんなことが続くと、「どうして私は意志が弱いのだろう」「なんで行動力がないんだろう」と、つい自分を責めてしまうことがあります。しかし、これは勘違いです。
実は、あなたがすぐ動けないのは、あなたがダメなわけでも、意志が弱いからでもありません。あなたが動けないのは、人間の脳の仕組みがそうなっているからなのです。
人間の脳は生命維持のため、命に別状がないかぎり、できるだけ変化を避けて現状維持をしようとする防衛本能が働いています。
これは、能力や性格、やる気の問題ではなく、この脳の防衛本能があなたの行動を抑制しようとすることが原因です。
私たちの脳は、とても面倒くさがり屋なのです。いっきに完璧に物事をやり遂げようとすることは、脳の仕組み上難しいわけです。
もしかしたら、なおさら「すぐやる人」になるのは難しいのではないか?と不安になった方もいるかもしれません。でも安心してください。
私たちの脳には「側坐核」と呼ばれる場所が存在します。この側坐核が刺激されると意欲を高めたり、楽しいと感じるドーパミンというホルモンが分泌されます。このドーパミンが行動力の源になるわけです。
このスイッチを入れさえすれば、誰でもすぐに動くことができるようになります。
ここで重要なのは、側坐核というスイッチは、自動的にオンにはならないということです。つまり、「よし、やるぞ」と気合を入れるだけではスイッチを入れることはできないのです。
また、まわりの人から「頑張ってね!」「応援しているよ」と応援されたり、「早くやれ!」「なんですぐに着手できないんだ!」と叱責されてもスイッチは入りません。
では、どうすればいいのでしょうか?
側坐核は、私たちがなんらかの行動を起こすことで刺激を受け、ドーパミンを放出します。「行動に着手」するうことで、はじめてスイッチがオンになるのです。
そうはいっても「すぐ動けないからこの記事を読んでいるんだけど・・・」と、また不安になってしまう方もいるでしょう。でも大丈夫です。
側坐核のスイッチを入れるために必要な行動は「ほんの少し」だけでもいいんです。
さらに、脳には可塑性という性質が備わっています。
可塑性とは、大きな変化は受け入れずに元に戻そうとする一方、小さな変化は受け入れると言う脳の性質のことです。
つまり、いきなり大きく変わろうとせず、小さなアクションから始めて行けば、面倒くさがりで、変化を嫌う脳でも対応できるのです。
しかも、その小さなアクションは「勉強のテキストを開く」「パソコンの電源をつける」といった本当に些細なことで問題ありません。これなら誰にでもできます。
物事を先延ばしにせず、「すぐやる人」になるためには「とっかかり」、つまり行動に初速をつけることがポイントになります。
本章では、この小さなアクションを活用して、行動に初速をつけ、すぐ動けるようになる方法を紹介していきましょう。
考え過ぎて動けない人は、仮決め、仮行動でよしとする
■完璧主義の人
■計画を立てるだけで終わってしまう人
一方で、考えることばかりに時間とエネルギーを注ぎ、それだけで終わってしまうこともよくあります。これでは本当にもったいない。
「しっかり計画を練ってから行動に移す」という考え方が、あなたを動けなくしている原因なのです。
すぐ動けない人の大半は、この順番を守っていません。行動量を増やすという第一段階を無視して、いきなり行動の質を求めてしまうのです。
あるいは、量と質を同時に求めてしまい、身動きがとれなくなってしまう人もいます。
「すぐやる人」になりたいのであれば、「行動の質」は後回しにして、「行動量」を増やすことを意識してください。
そんなときに力を発揮するのが「仮決め・仮行動」というスタンスです。
仮決め・仮行動
これが、仮決め、仮行動です。
こうして、とりあえずやってみると、「腕立て伏せが10回もできなかった」「筋を違えて痛みが出た」など、思ってもみなかった結果になるかもしれません。あなたは、これを失敗だと思いますか?
これは失敗ではありません。行動して得られた成果です。
腕立て伏せが10回できないのなら、1日3回から始めるとか、膝をついた状態で始めるなど、自分に合った負荷のかけ方を知ることができたわけです。
また、筋を違えてしまったのなら、やり方が間違っているわけですから、インストラクターがしっかり教えてくれるジムを探して通えばいいわけです。
仮決め・仮行動してみて、当初の期待や予想と違った成果が出た場合は、軌道修正をすればいいだけです。
一歩踏み出して行動することで、側坐核が刺激され、ドーパミンが出ますし、さまざまなリアクションや字bんの肌感覚といったフィードバックが得られるため、今後どうするか決断しやすくなります。
慣れないうちは、躊躇することもあるかもしれませんが、一度試してみると、仮にうまくいかなくてもダメージが意外に小さいことがわかります。それをわかってしまえば、次は迷わず行動することができるようになります。
「考え過ぎて何もできない」という負のスパイラルから抜け出すために、ぜひ仮決め・仮行動を実践してみてください。
うまくいかないことは失敗ではなく「行動して得られた成果」と考えましょう!
どうしても一歩踏み出せないときは、試しに10秒だけ動いてみる
■指示があれば動ける人
■絶対に失敗したくない人
そんなときに有効なのは、最初の一歩のハードルを極限まで下げてみることです。
具体的には、まず試しに10秒でできることから動いてみるのです。私はこれを10秒アクションと呼んでいます。
10秒アクションとは、文字通り、「10秒あればできる具体的行動」のことです。
たとえば、ランニングを始めたいのに、なかなか動けないのであれば、「最初の10秒はどんなことをするのか?」と考え、それだけを実行してみます。
たとえば、「シューズを履く」「ランニングウェアに着替える」といったことをとりあえずやってみるのです。
勉強であれば、「テキストを書く」、早起きであれば、「前の晩にアラームをセットする」、面倒な仕事であれば、「使用すソフトを立ち上げる」といったイメージです。
でも、10秒アクションの段階で失敗する人は誰もいません。「失敗しない」からこそ、その後の行動に繋がるわけです。
10秒着手してみてスムーズにいくのであれば、そのまま続けましょう。10秒アクションがきっかけとなってその後、勉強、ランニング、筋トレ、仕事、片付けなどが15分、30分続いたというのは、よくあることです。
10秒アクションは脳科学で照明されている
前述の通り、人間の脳は生命維持のため、できるだけ変化を避け、現状を維持しようとする防衛本能が働いています。
一方で脳には「可塑性」という性質があり、ほんの少しずつであれば変化を受け入れると言われています。つまり、10秒という小さなアクションであれば、脳は変化に対応できるのです。
また、10秒アクションという小さな一歩でも、側坐核を刺激する効果があります。
やる気が起きるのを待っていても永遠に行動することはできません。「まず動く」ことで、やる気は後からついてくるのです。
「やる気」は天から降ってこない。
面倒なことは前日にちょっとだけ手をつけておく
■頭を使う仕事が多い人
■着手に時間がかかる人
こういったことを、先延ばしせずにやりきrためのポイントは前日にあります。
仕事なら前日の終業時、プライベートに関することなら就寝前に少しだけ着手したり、準備したりしておくのです。
たとえば、
経費の精算なら前日の終業時に最初の1項目だけ入力したり、領収証をまとめて机の引き出しのいちばん目立つ場所に入れて退社する。
トラブルの報告なら、上司にアポイントだけとっておく。
資格試験の勉強なら、テキストを開いて、横に筆記用具を置いた状態で就寝する。
部屋の片づけなら、前日の夜に不要なものを2つ、3つ捨てたり、片づける予定の部屋を掃除しやすいように少しだけ整理しておく。
たったこれだけのことで、先延ばししがちなことに着手しやすくなります。
この方法は、頭を使う複雑な仕事や、これまで経験したことのない新規の案件に取り組む際にも効果を発揮します。
「たったそれだけ?」と不思議に思うかもしれませんが、これには2つの理由があります。
これは、先程お伝えした「10秒アクション」と同じで、ほんのちょっとでも行動することで、「未知」のことが苦手な脳に、この行動は「既知」であると思わせ、現状を維持しようとする脳の防衛本能に抗わずに済むようになるのです。
事前準備が終わっている状態であれば、迷いなく動くことができます。「面倒くさいな」「やっぱり今日はやめておこうかな」などと余計なことを考える前に動けるため、先延ばしにしてしまうことが格段に減るのです。
さらにおまけとして、一度手をつけた後に睡眠を挟むことで、アイデアが深まったり、新たなアイデアが出てくることもあります。
脳は、その日に見開きした情報を寝ている間に整理します。その過程で、これまでストックされてきた情報・記憶が呼び起こされることがあり、それらが結びつくことによって思いもよらないアイデアが生まれることがあるのです。
前日にちょっとだけ手をつけておくことは、行動力の強化以外にもメリットがあります。
簡単にできることですので、ぜひ実践してみてください。
仕事終わりにひと手間かけるだけで、翌日の行動が大きく変わる!
同じ場所で同じことをする
■マルチタスクの処理に悩んでいる方
■会社や家が騒がしくて仕事がしづらい方
私はこの7年、自宅で執筆を行っていません。この記事の原稿も、自宅近くの喫茶店で書いています。
ちなみに、この喫茶店では執筆以外のことはいっさい行いません。
なぜ、これを徹底しているのかというと、執筆を先延ばしにしないためです。
私は現在、コーチングセッション、スクール運営、執筆の3つを主な仕事にしています。
そのため、自宅のワークスペースには関連資料がたくさんあります。
それらが目に入ると、気になってなかなか執筆に着手できず、つい先延ばしにしてしまうのです。
しかし、記事の締切は待ってくれません。
そこで考えたのが、近所の喫茶店で執筆することなのです。
これには、きちんとした根拠があります。
同じ場所で同じ仕事をしていると、喫茶店に行くと執筆が進むということが徐々に脳に刷り込まれていきます。そして、同じ行動を続ければ続けるほど、その刷り込みが強化されていきます。
すると、喫茶店に着くとすぐ脳が執筆モードに切り替わるので、スムーズに着手できるようになるのです。
ちなみに、この喫茶店に行く際は、パソコンや関連資料など、執筆に必要なもの以外はいっさい持たないようにしています。
執筆以外のことをできない状態にすることで、より集中することができるからです。
この効果を心理学の世界ではアンカリングと呼んでいます。
この条件反射状態をつくるためにも、行き当たりばったりではなく、
この場所では、この仕事をすると決めて可能な限り実行してみましょう!
つい、先延ばししてしまう仕事、なかなか集中できない仕事は誰にでもあるのもです。
ですから、たとえば、「集中力が必要な企画系の仕事は、お気に入りのスタバでしかしない」
「アポとりは使っていない会議室で行う」
「ルーティンワークは自席で」
などと決めてそのマイルールをできるだけ守るようにします。
もちろんこれはテレワークをしている人も活用することができます。
「家のなかでも特に集中できる寝室の机では、企画の立案など頭を使う仕事だけをする」
「ユーチューブを見てくつろぐのはソファー」
「事務作業は食卓でやる」などと、
家の中をいくつかのエリアに分けて考えればいいのです。
また、アンカリングの効果は、場所だけでなく「時間」にも有効です。
ですから、「企画立案は、平日の午前中に会社の近所のカフェで行う」などと
時間帯も決めることでより効果が上がります。
このように、「アンカリング」を活用して、場所と仕事を結びつけるだけで、
つい先延ばしにしてしまいがちな仕事をスムーズに進めることができるようになるのです。
誰でも簡単にできるテクニックですので、ぜひ、試してみてくださいね。
特定の仕事と場所を紐づけて、ルーティン化してみよう!